オーディオ界のだれも「ストリーマー」という存在を意識する前であった2007年、颯爽と登場した「LINN DS」。標準的なインフラとなったLAN／インターネットを介して、無限のデータと繋がって再生を行うミュージックプレーヤーは、音楽の新しい常識となったのです。
高度な切削技術に支えられた美しくも堅牢なアルミ合金シャーシ、完全自社設計のディスクリートDAC、ゼロから書き上げたオリジナルの各種ソフトウェア、桁違いの解像度を誇るデジタルボリュウム、うっとりする触り心地の操作ダイヤルなど、「クライマックス」という名に相応しい要素のみで完成された芸術品。
いま求められるデジタルオーディオの最上流に位置すべき逸品です。
サードパーティー製DACチップを組み込むのではなく、100%自社設計のディスクリートDACを搭載。アップサンプリングなどのFPGAに書き込まれた多様なアルゴリズムを透過して出力されるPWM信号と片チャンネルあたり32個のスイッチとアナログFIRを組み合わせたORGANIK DACには、デバイスレイアウトやクロックディストリビューションなど隅々まで徹底した先駆者としてのノウハウが結実しています。
直線軸XYZの3軸＋回転傾斜軸2軸の金属加工工作機を駆使し、約８時間かけてアルミ合金ブロックからくり抜き加工し仕上げられます。各セクション同士の相互干渉をなくすためスペースを区分されるチェンバー、ケーブルレール、嵌合メカニズムなど…ため息の出る造形を誇ります。外来ノイズからのパーフェクトな遮断、安定かつ静粛な内部環境のために不可欠な美しい鎧と言えましょう。
現在のリンラインナップの象徴となった、天面の操作ダイヤル。至高のサウンドクオリティと外からは見えない内部の精巧さをこのワンバッジが表しています。スタンバイON／OFF、音量調整、入力切り替え、曲の戻し／送りといった基本的な操作がこれひとつで完結。上質に輝くブラス製ベアリングハウジング、エッチング処理されたスリットから覗くLEDイルミネーションを透明度の高いカットガラスに納めています。
アナログボリュームを遥かに凌駕するSN比とローレベルで音痩せしない深いレゾリューションを誇る48bitデジタルボリューム、そして外部からのライン入力を全く変質させることなくデジタル変換するADコンバーター、パワーアンプに力強く送り出す出力回路を装備する本機は、最高品質のプリアンプ。まさにシステムを統制する中心プロダクトです。
